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障がいのある方の未来を支える、新NISAという選択肢

厚生労働省の令和5年度「障害者雇用実態調査」によると、障がい者の平均月収は、身体障がい者で約23万5千円、精神障がい者で約14万9千円、知的障がい者で約13万7千円、発達障がい者では約13万円と報告されています。

一方で、老後の生活資金として「2000万円が必要」と言われる時代。

日々の生活で精一杯。資産形成なんてとても無理」と感じている方も多いかもしれません。

そんな中、2024年1月からスタートした「新NISA」は、すべての人に開かれた資産運用の新しい選択肢です。最大1800万円までの非課税投資枠 が設けられ、少額からでも安心して資産形成に取り組める制度となっています。

「新NISAって気になる」「どんな制度なのか知りたい」

そんな声も増えてきました。 とくに障がいをお持ちの方にとっては、限られた収入の中でも将来に備えるための有効な手段となる可能性があります。

今回は、「新NISAとは何か」「どうやって始めるのか」について、わかりやすくご紹介します。

新NISAとはどのような制度か?

カーテン開ける人

2024年1月からスタートした「新NISA」は、簡単に言えば、投資で得た利益に税金がかからなくなる制度です(少額投資非課税制度)。

通常、株や投資信託などで利益が出ると、約20.315%の税金がかかります。たとえば100万円の利益が出た場合、約20万3150円が税金として差し引かれます。

しかし、新NISAの口座を使えば、この税金がゼロに利益をそのまま受け取ることができるのです。

また、2023年までの「旧NISA(一般NISA・つみたてNISA)」と比べて、制度が大きく進化しました。 購入した株や投資信託の保有期間が無期限で非課税になり、投資できる金額も拡大。年間最大360万円、生涯で最大1800万円まで投資できるようになりました。

制度も「新NISA」として一本化され、個人投資がより使いやすく、長期的に取り組みやすい仕組みへと変わっています。

NISAの制度が生まれた背景

「NISA」は、イギリスの「ISA(Individual Savings Account)」をモデルにした制度です。ISAでは、株式や投資信託などで得た利益に税金がかからず、年間の投資枠は2万ポンド(日本円で約362万円)までと定められています。日本の新NISAと非常に似た仕組みです。

イギリスではすでに、18歳以上の国民の約半数がISA口座を保有しており、資産運用によって100万ポンド(約1.6億円)以上の資産を築いた「ISAミリオネア」が誕生したことも話題になりました。

こうした成功事例を背景に、日本でも制度を見直し、2024年から「新NISA」がスタート。非課税で保有できる期間が「無期限」となり、年間の投資枠もイギリスとほぼ同等の「360万円」、生涯で最大「1800万円」まで拡大されました。

新NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」がある

新NISAには、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」という2つの投資枠があります。

年間の非課税投資枠は最大360万円で、その内訳は「つみたて投資枠」が120万円まで、「成長投資枠」が240万円までとなっています。これらを合わせることで、年間最大360万円までの非課税投資が可能になります。

とはいえ、この枠をすべて使い切ろうとすると、月々30万円の投資が必要になります。これは一般的な会社員や障がい者雇用の収入では現実的ではなく、無理のあるペースです。ですので、枠の上限を気にする必要はありません。

むしろ、10年、20年、30年と長い時間をかけて、生涯で使える非課税枠「1800万円」を少しずつ埋めていく方が、リスクを抑えながら堅実に資産形成を進める方法として適しています。

「つみたて投資枠」は、「長期の投資」に向いた「投資信託」に使える

手帳

新NISAで投資できる「投資信託」や「株式」には、国が定めた独自の基準があります。つまり、すべての銘柄に自由に投資できるわけではなく、あらかじめ認定された対象商品のみが購入可能です。

この制度は、投資初心者でも安心して利用できるよう設計されており、過度なリスクを避けるための安全性が考慮されています。

なかでも「つみたて投資枠」は、リスクの低い投資信託のみが対象。2025年現在、対象商品は約340本に拡大されており、信託報酬が低く、長期運用に適した銘柄が中心です。

年間120万円までの「つみたて投資枠」は、ローリスク・ローリターンの運用が可能で、コストも抑えられるのが特徴。とはいえ、得られた利益はすべて「非課税」となるため、銀行口座に預けておくよりも資産が増える可能性があります。

投資が初めての方でも、「つみたて投資枠」だけを活用することで、資産を守りながら、老後に向けた準備を少しずつ進めることができます。

 

「成長投資枠」は「ハイリスク・ハイリターン」の「株や投資信託」の投資が行える

もうひとつの「成長投資枠」では、一般の上場企業の株式や、よりリターンが期待できる投資信託を購入することができます。

もちろん、リターンが大きいということは、値動きの幅も大きくなるということ。 株価が下がれば資産が目減りする「元本割れ」のリスクもあり、企業が倒産すれば株の価値がゼロになる可能性もあります。 このように、成長投資枠には一定のリスクがあることを理解しておくことが大切です。

ただし、「成長投資枠」は必ず使わなければならないわけではありません。 「つみたて投資枠」だけでも、生涯で最大1800万円の非課税枠を使い切ることが可能です。 そのため、投資に慣れていないうちは、まずは「つみたて投資枠」から始めるのが安心です。

一方で、「成長投資枠」では個別株の購入が可能になるため、 「株主優待」や「配当金」を目的とした投資をしたい方には、この枠が適しています。

「成長投資枠」では「株主優待」を狙うこともできる

たとえば、郊外のショッピングモールで知られる「イオンモール」では、100株を保有すると3,000円分のイオンギフトカードがもらえる株主優待(2024年時点)があります。 株価は1株あたり1,794円(2024年4月4日時点)なので、100株で約17万9,400円の投資が必要です。

一方で、5万円以内で購入できる株主優待銘柄もあります。 たとえば、「丸善&ジュンク堂書店」でおなじみの「丸善CHIホールディングス」では、100株の保有で500円分の買い物割引券がもらえます。 株価は1株あたり334円(同日付)なので、100株で約33,400円で取得可能です。※株価は日々変動

本が好きな方や書店をよく利用する方にとっては、実用的で嬉しい優待ではないでしょうか。

このように、株式を保有することで得られるメリットはさまざま。 5万円以内の少額投資でも株主優待を受けられる銘柄は多数ありますので、資金に余裕が出てきた際には、検討してみる価値があります。

ただし、新NISAの基本的な運用は「つみたて投資枠」を中心に、長期・安定的な資産形成を目指すことが基本です。 「株主優待」などのメリットを狙った投資は、あくまで余剰資金で行うのが安心です。

「新NISA」制度で気を付けたいポイント

2024年1月からスタートした新しい「NISA」制度。まだ始まって間もないこともあり、制度の詳細を知らない方も多いかもしれません。

ここでは、新NISAを活用するうえで押さえておきたい3つの重要ポイントをご紹介します。

①「新NISA」は「簿価残高方式」で管理する
②「株や投資信託」の売却後、翌年に非課税枠が復活
③上限投資枠(1800万円)のうち、「成長投資枠」は「1200」万円まで

①「新NISA」は「簿価残高方式」で管理する

「簿価残高方式」と聞いても、何のことかピンとこない方も多いかもしれません。 「簿価」という言葉は、日商簿記3級やFP検定などで登場する専門用語で、一般の方にはあまり馴染みがないかもしれません。

新NISA制度で採用されている「簿価残高方式」とは、投資信託や株式を購入したときの価格(簿価)で、非課税枠の使用量を計算する方式です。

たとえば、新NISAの成長投資枠で「10万円分の株」を購入し、その後株価が上昇して「20万円」になったとします。 この場合でも、非課税枠の使用量としてカウントされるのは「購入時の価格=10万円」です。 つまり、株価が上がっても、使った枠は10万円分だけということになります。

新NISAの生涯投資枠は最大で「1800万円」ですが、これはすべて「取得時の価格(簿価)」で管理されます。 この仕組みによって、値上がりした分は枠を圧迫しないため、長期的な資産形成に有利な制度設計になっています。

覚えておきたいポイントは

「新NISAでは、いくら値上がりしても、使った枠は“買ったときの値段”で計算される」 ということです。

②「株や投資信託」を売却後、翌年に「非課税投資枠」が復活する

次は、新NISAで「株式や投資信託」を売却した場合の仕組みについて見ていきましょう。

たとえば、成長投資枠で「10万円分の株」を購入し、その後株価が「20万円」に上昇したとします。利益を確定するために売却した場合でも、非課税枠の使用量としてカウントされるのは「購入時の価格=10万円」です。

この時点で、年間の成長投資枠(上限240万円)のうち「10万円」を使ったことになるため、残りは「230万円」。生涯の非課税枠(上限1800万円)も「1790万円」まで減ります。

そして重要なのが、売却した年の間は枠が復活しないという点です。 つまり、2024年に10万円分の株を購入して売却しても、2024年中にその10万円分の枠を再利用することはできません。

しかし、翌年の2025年になると、売却した分の枠が復活します。 年間の成長投資枠は再び「240万円」、生涯の非課税枠も「1800万円」に戻り、再び投資が可能になります。

この仕組みによって、新NISAでは「枠内であれば、何度でも投資と売却を繰り返すことが可能」になります。 ただし、枠の復活は“翌年以降”になるという点は、しっかり押さえておきましょう。

③上限投資額(1800万円)のうち、成長投資枠は「1200万円」まで

新NISA口座は、国民一人につきひとつだけ開設できる制度で、生涯で最大1800万円までの非課税投資枠が用意されています。

このうち、「成長投資枠」として使えるのは最大1200万円まで。 ここでよくある誤解が、「成長投資枠が1200万円なら、残りの600万円しか“つみたて投資枠”に使えないのでは?」というものです。

実際には、1800万円の枠は「つみたて投資枠」だけで使い切ってもOKです。 つまり、「成長投資枠を使わず、つみたて投資枠だけで1800万円まで積み立てる」ことも可能です。

おさらい・新NISAの枠の仕組み

投資枠年間の上限生涯の上限備考
つみたて投資枠最大120万円最大1800万円成長投資枠を使わなければ全額使える
成長投資枠最大240万円最大1200万円つみたて投資枠と併用可能

つまり、「成長投資枠の上限=1200万円」は、成長投資枠として使える最大値であり、 「つみたて投資枠は600万円までしか使えない」というわけではありません。

この柔軟な設計により、投資スタイルやライフステージに合わせて、 「つみたて中心でコツコツ運用」も、「株式中心で優待や配当を狙う」も、自由に選べるのが新NISAの魅力です。

「新NISA」のはじめ方

ではここからは、具体的な「新NISA」のはじめ方についてご紹介します。

新NISA制度を使って「投資信託」や「株式」に投資するには、まず新NISA口座の開設が必要です。

口座を開設できる金融機関は、以下のいずれかになります。

  • 銀行(ゆうちょ銀行、三菱UFJ、三井住友、みずほ、りそな など)
  • ネット銀行
  • 証券会社
  • ネット証券会社

銀行での開設には注意が必要

普段使っている銀行でも新NISA口座は開設できますが、取り扱い商品の種類が少ないというデメリットがあります。 特に、銀行が扱う投資信託は「信託報酬(運用コスト)」が高めで、長期運用には不向きです。 また、銀行では「成長投資枠」で購入できる上場企業の株式は取り扱っていません

そのため、将来的に本格的な資産運用を考えている方は、銀行での口座開設は避けた方が安心です。

おすすめは「ネット証券会社」

新NISA口座は、ひとりにつき1口座のみ(金融機関はひとつまで)なので、慎重に選ぶ必要があります。

最もおすすめなのは、ネット証券会社での口座開設です。

ネット証券なら

  • 「つみたて投資枠」「成長投資枠」の両方に対応
  • 取り扱い商品が豊富
  • 信託報酬や取引手数料が安い
  • アプリやWeb画面が使いやすい
  • ポイント還元などのサービスも充実

初心者から上級者まで、幅広い層に対応できるのがネット証券の強みです。 将来的に「株式投資」や「投資信託の選択肢」を広げたいときにも、柔軟に対応できます。

新NISAは「一生付き合う制度」

新NISAは、制度変更がない限り、生涯にわたって使える非課税投資制度です。 だからこそ、最初の口座選びはとても重要。 はじめての新NISA口座は、ネット証券会社での開設をおすすめします。

 

おすすめのネット証券二社「SBI証券」「楽天証券」

おすすめの「ネット証券」は2社あり、

①SBI証券
②楽天証券

です。

①SBI証券

 

SBI証券は、ネット証券会社の最大手として知られており、投資信託の本数や株式の取り扱い銘柄が非常に豊富です。 ユーザー数も多く、証券口座の開設数は1,100万口座を突破(2025年時点)しており、はじめての証券口座としても安心して選べる存在です。

新NISAでの取り扱い銘柄が圧倒的

SBI証券では、新NISAの「つみたて投資枠」で購入できる投資信託が222本(2024年4月時点)と、業界最多クラス。 選択肢が広いため、自分に合った投資スタイルを見つけやすくなっています。

手数料が安く、長期運用に最適

  • 投資信託の買付手数料:無料
  • 国内株式の売買手数料:100万円まで無料
  • 米国株式・海外ETFの売買手数料:新NISA口座なら無料

これらの手数料の安さは、長期的な資産形成において大きなメリットになります。

クレカ積立&ポイント連携も充実

三井住友カードを使えば、クレジットカードによる積立(クレカ積立)が可能。 毎月自動で積み立てができ、Vポイントも貯まるため、投資とポイント獲得を両立できます。

さらに、以下のポイントサービスと連携可能:

  • Tポイント
  • Vポイント
  • Pontaポイント
  • dポイント
  • JALマイル
  • PayPayポイント

これらのうち1つを「メインポイント」として選ぶことで、投資をしながら日常生活でも使えるポイントを貯めることができます

初心者にもおすすめの理由

SBI証券が取り扱う「つみたて投資枠」の投資信託は、信託報酬が安く、長期運用に適した商品が中心。 とくに「SBI・Vシリーズ」などの低コストインデックスファンドは、初心者にも人気です。

新NISAを始めるなら、商品数・手数料・使いやすさ・ポイント連携のすべてが揃ったSBI証券が、最も安心できる選択肢のひとつです。

②楽天証券

「楽天証券」は、楽天グループが運営するネット証券で、楽天で日常的に買い物をしている方に特におすすめです。

いわゆる「楽天経済圏」(楽天市場・楽天ポイント・楽天銀行・楽天モバイルなど)で生活している方にとっては、投資をしながら楽天ポイントを貯められるという大きなメリットがあります。

楽天カードでの積立投資が魅力

楽天証券では、「楽天カード」を使ったクレジットカード積立が可能。 積立額に応じて0.5%〜最大1%の楽天ポイントが還元されます。

「楽天カード」は審査が比較的通りやすく、収入が少ない方でも作りやすいとされているため、はじめての積立投資にも向いています。

新NISAのつみたて投資枠も充実

  • つみたて投資枠で購入できる投資信託は222本(2024年4月時点)と、SBI証券と並ぶ業界トップクラス
  • すべての投資信託の買付手数料が無料
  • 国内株式・米国株式の売買手数料も無料(新NISA口座の場合)

SBI証券と楽天証券は、新NISAのつみたて投資枠に関してはほぼ互角の内容です。

どちらを選ぶべき?

  • 楽天経済圏で生活している方
  • 楽天カードを使って積立したい方 → 楽天証券がおすすめ
  • より幅広い商品やサービスを使いたい方
  • 楽天経済圏にこだわらない方 → SBI証券がおすすめ

もうひとつの選択肢「松井証券」

「株主優待名人」として知られる桐谷広人さん(元将棋棋士)が利用していることで有名な「松井証券」も、優待銘柄に強く、初心者にも親切なサポートが魅力です。

新NISA口座は、ひとりにつき1口座のみ。 だからこそ、自分のライフスタイルや使っているサービスに合わせて、じっくり比較して選ぶことが大切です。

新NISAではじめる、障がいのある方の資産運用

2024年1月から始まった新しい「NISA」制度は、これまで投資に縁がなかった方にも、資産運用のチャンスを広げてくれました。

「投資」や「株」と聞くと、元本割れ(購入時より価格が下がって損をすること)が怖くて、なかなか踏み出せない…そんな不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。

でも、新NISAでは利益が出たときのメリットが非常に大きくとくに「つみたて投資枠」は、国が厳しい基準で選定した信頼性の高い投資信託のみが対象となっています。 長期的に見れば、リスクを抑えながら、着実に資産形成を目指せる制度です。

しかも、投資信託の積み立ては100円からスタート可能 今回ご紹介したネット証券(SBI証券・楽天証券・松井証券)では、少額からでも気軽に資産運用を始めることができます。

これまで「障がいがあるから資産運用なんて考えたことがなかった」という方も、 新NISAなら、無理なく・安心して・自分のペースで始められる可能性があります。

未来の安心のために、まずは小さな一歩から。 新NISAを活用して、あなたらしい資産づくりにチャレンジしてみませんか。

【新NISAをはじめるにあたっての注意事項】

※本記事でご紹介した内容は、「投資信託」や「株式」による資産運用に関するものであり、元本割れ(購入時より価格が下落する)などのリスクを伴います。

運用益や利益は将来的に保証されるものではありませんので、あらかじめご理解のうえご利用ください。

リスクを抑えるためには、少額からの「つみたて投資」をおすすめいたします。

また、当社(株式会社リレント・就労A型『リカレント』)では、当記事の内容に基づく投資によって生じた損失(元本割れや運用損失等)について、一切の責任を負いかねますことをご了承ください(免責事項)。

新NISA制度のご利用にあたっては、ご自身の判断と責任に基づいてご検討いただきますようお願いいたします。

 

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